部長挨拶

部長

検査部は初代検査部長の只野壽太郎先生の「検査は究極のサービス業」という信念のもと、1981年10月26日の附属病院開院と同時にスタートしました。その後、検査の24時間体制、自動化、細菌検査など専門部門システムの開発など先進的な取り組みを導入しながら、現在は「正確で信頼できる検査結果を迅速に臨床現場に届ける」をモットーに少ないスタッフで頑張っています。佐賀県を中心とした地域医療に貢献できる検査部としての活動を以下にまとめました。

  1. 信頼性ある検査結果の提供
    検査部では、患者さんからいただいた血液、尿、痰、組織などの検体を用いて、病気の診断や治療方針の決定に必要なさまざまな検査を行っております。正確な検査結果をできるだけ早く診療の現場にお届けすることが私ども検査部の大切な仕事です。検査部では、このような検査における品質の維持と向上のために、2018年10月に、ISO15189(臨床検査室-品質と能力に関する要求事項-)国際規格の認定を取得しました。患者さんと臨床現場を検査でつなぐ重要な砦としてこれからも取り組んでまいります。
  2. 検査の標準化
    当院は地域医療の砦として、病気の予防、診断、治療と幅広い分野でチーム医療を展開しています。検査部としても地域医療における検査体制の標準化を進めています。たとえば、全国的に医療の分野にITの技術の活用が進んでいますが、患者さんがどの医療機関を受診しても検査データや薬剤服薬情報が共有できる仕組みを作ることによって、質の高い、無駄のない医療が受けられることになります。検査部としてもそのような医療連携に必要な検査の標準化にも取り組んでまいります。
  3. 大学病院検査部としての貢献

    大学病院としての使命である、高度先進医療の推進についても、診断のための新しい技術導入の面で積極的に参加しております。最新の機器や検査法の導入はもちろんですが、得られた検査結果を将来の検査法や治療法の開発に生かすために、基礎研究や臨床部門のスタッフと連携して臨床検査医学の発展に貢献したいと考えております。

    • ・バイオバンクシステム
      目覚ましく進歩する医療現場で重要な臨床研究をサポートするために、ロボット倉庫と医療情報マネージメントシステムとの合体による、世界初の自動化管理によるサンプルの長期間保存・管理体制を構築し、運用を開始。(2016年)
    • ・遺伝子検査ネットワークの整備
      新型コロナ(COVID-19)感染症の拡大に伴い明らかになった遺伝子検査技術の普及と人材育成は、COVID-19対策だけでなく今後の医療体制の整備に必須のテーマだと考えられます。当院が県内や地域の医療機関と協力して遺伝子検査体制を作り上げる取り組みが遺伝子検査ネットワークです。

検査部はこれからも、「患者さんや医療関係者に必要とされる部門」となることを目指していきます。このために検査部職員に対しては、種々の資格取得や研究をとおして自己研鑽を促しています。院内・院外を問わず、多くの皆様からのご指導・ご鞭撻の程を改めてお願い申し上げます。

2021年10月1日
佐賀大学医学部附属病院 検査部
部長 末岡 榮三朗

技師長挨拶

技師長

今年度から佐賀大学医学部附属病院検査部の臨床検査技師長に就任いたしました於保(おほ)恵と申します。当院検査部は1981年の開院当初から24時間体制での検査を確立し、検査業務の自動化や総合感染症コントロールシステム(Dr.FLEMING)の開発をおこなってまいりました。

現在は、病院理念である「患者・医療人に選ばれる病院を目指して」のもと、検査部では品質方針を策定しています。

  • ①最高水準の医療を提供できるための精度の高い検査体制の整備
  • ②患者さんへの十分な説明と公平な検査技術の提供
  • ③先進検査技術の開発と提供
  • ④職員が満足する環境づくりと円滑な人間関係の形成
  • ⑤高度な検査技術の継承と発展のための人材育成
  • ⑥地域と連携し技術交流の促進

の6つを掲げ、日々迅速かつ正確で信頼性の高い検査データを臨床へ提供することに取り組んでおります。

検査部から各診療科に報告される検査結果は、病気の診断や治療方針に大きな影響をもたらします。そのため、患者さんからいただいた検体(血液、尿、喀痰、組織など)から、より正確な検査データを報告するために当検査部は2018年に臨床検査室の国際規格であるISO15189を取得しました。現在は、検査の標準化を行い、検査の質の向上と業務の効率化を図っております。また、日本適合性認定協会(JAB)の審査を定期的に(4年に一度)受け、臨床検査を行う技術能力を有していることを評価・証明していただいております。

院内ではさまざまなチーム医療がおこなわれており、専門的な資格を取得した臨床検査技師がチームの一員として院内感染対策チーム(ICT)、抗菌薬適正使用支援チーム(AST)、栄養サポートチーム(NST)、糖尿病診療班など幅広く活動しております。また、大学病院として高度先進医療への取り組み、地域医療への貢献、教育や研究にも取り組んでおります。

今後もスタッフ一同、自己研鑽を積み、臨床に貢献できるよう日々精進してまいります。
皆様からのご指導・ご鞭撻のほど何卒宜しくお願い申し上げます。

2023年5月1日
佐賀大学医学部附属病院 検査部
技師長 於保 恵