病理検査室では、患者さんから診療目的に採取された臓器、組織、細胞などから病理標本や細胞診標本を作製しています。作製した標本は病理医が病理診断を行い、病気の最終診断として大きな役割を果たしています。病理検査には大きく分けて、組織診検査、術中迅速検査、細胞診検査があります。
組織診検査
患者さんの病変部から組織を採取後、3~4マイクロメートルの薄さのH・E(ヘマトキシリン・エオジン)染色標本を作製し、顕微鏡を用いて病理医が診断を行います。内視鏡検査などで採取した生検検体や、手術検体があります。組織診の診断報告までには、固定・標本作製・染色・診断の過程を経て、生検検体で3~7日、手術検体で5~14日程度かかります。
<薄切>
細胞診検査
患者さんから採取した細胞を用いてパパニコロウ染色などの細胞診標本を作製します。細胞検査士が顕微鏡で観察し、異型細胞や細菌・真菌などの有無を判定します。異型細胞を認めた場合には、細胞診専門医が最終的な細胞診断を行います。細胞診は侵襲が少ないため、スクリーニング検査として広く用いられています。細胞診の結果報告までには、3~10日程かかります。
<Tissue-Tek-Prisma-Plus>
術中迅速検査
手術中に切除した病変が悪性腫瘍か、切除組織の断端に悪性腫瘍が広がっていないか、転移がないかの判断のため行われます。手術中に行うため、迅速に診断報告することが重要です。術中迅速検査では、切除した病変を凍結させて標本を作ることで、標本作製から診断までを30分程度で行います。
<Tissue-Tek Polar>